この記事の執筆者
宮田 翔平
宮田動物病院院長。静岡県沼津市で60年以上続く地域密着の動物病院として、飼い主様に寄り添った丁寧な診療を心がけています。
「猫が昨日からうんちをしていない」「何日出なかったら動物病院へ行った方がいいのでしょうか?」
猫の便秘について、このように心配される飼い主様は意外と多いのかもしれません。
まず確認したいのは、本当にまったく便が出ていないのか、少量は出ているがいつもより少ないのか、そして嘔吐や食欲低下などほかの症状が出ていないかです。
宮田動物病院(静岡県沼津市)では、このようなケースにおいて排便回数だけではなく、お腹の触診や必要に応じてレントゲン検査を行い、実際にどのくらい便がたまっているのかを確認しながら判断しています。
これは飼い主様からよく聞かれる質問ですが、
「何日出なかったら必ず病院へ」という日数だけでは決められない
というのが僕の考えです。
普段の排便回数にはその子なりのペースがあります。
毎日排便する子がいつもより1日遅れている場合と、たとえばもともと2日に1回程度の子では意味が違います。
そして、まず確認していただきたいのが、
本当にうんちが出ていないのか
ということです。
少量だけ出ていることもありますし、多頭飼育の場合には、どの猫が排便したものなのか分かりにくいこともあります。
また、トイレのお掃除が間に合っていない場合は、いつもと違うところに粗相をしている場合もあるかもしれません。
「出ていないと思っていたけれど、実は少し出ていた」
反対に、
「毎日出ていると思っていたけれど、実際には十分な量が出ていなかった」
ということもあります。
そのため、排便回数やうんちが出ていない日数だけではなく、その子の普段の排便と比べてどう変化しているのかを見ることが大切です。

便が出ていないことに加えて、特に注意していただきたいのが別の症状の有無です。
その症状とは、例えば、
といった変化です。
本当に便がたまっている子では、便秘だけではなく、吐き気が出たり食欲が落ちたりすることがあります。
そのため、
「うんちが出ない+別の症状」
という場合には、日数にかかわらず一度動物病院へ相談していただきたいと思っています。
反対に、いつもより排便が少し遅れているだけで、元気も食欲もあり、普段と変わらず過ごしている場合には、すぐに大きな問題というケースばかりではありません。
迷う場合には、かかりつけの先生へ相談してください。
ここも意外と大切です。
飼い主様から、
「毎日うんちは出ています」
と聞いても、それだけで十分に排便できているとは限りません。
少量ずつは出ていても、それ以上の便がお腹の中に残っていることがあります。
つまり、
「出たか、出ていないか」だけでなく、「十分な量が出ているか」
も見なければなりません。
ただ、ご家庭だけでその判断をするのは難しいと思います。
だからこそ健康診断や診察の際に、飼い主様が感じている排便の状態と、実際のお腹の状態を一度すり合わせておくことも大切です。
動物病院では、まずお腹を触って、便がどのくらいたまっていそうか確認します。
必要に応じてレントゲン検査を行うと、大腸の中にどのくらい便があるのかを確認できます。
例えば、
「飼い主様はかなり便秘だと思っていたけれど、それほど便はたまっていなかった」
ということもあります。
反対に、
「毎日排便しているから大丈夫だと思っていたけれど、レントゲンではかなり便が残っていた」
ということもあります。
飼い主様の感覚が間違っているということではありません。
ご家庭で見えている排便の様子と、実際のお腹の中の状態を合わせて確認することで、その子にとってどの程度の排便が正常なのかが分かりやすくなります。


時々排便が遅れるくらいで、その子が元気に生活しているのであれば、必ずしもすべての便秘に治療が必要というわけではないかもしれません。
一方で、
といった場合には、治療について考えます。
「便がたまっているかどうか」だけではなく、その便秘によってその子に症状が出ているかどうか
を見ることが大切です。
便秘を繰り返す猫では、食事を変更することがあります。
当院では、その子の状態によって食物繊維を多く含む食事療法食をご提案することがあります。
高繊維食といっても特別に難しいものではなく、食物繊維を調整した猫用の療法食がありますので、その子の状態に応じて切り替えをご提案しています。
食物繊維を調整することで便の状態が変わり、排便しやすくなる子がいます。
ただし、持病などの影響によって他の療法食を選択した場合もありますので、かかりつけの先生と相談していただ来ながら決めていくようにしましょう。
また、年齢を重ねた猫では、便の回数や量だけではなく、排便姿勢にも注目する必要があります。
例えば、腰痛や関節に痛みがあると、トイレでしゃがんだ姿勢をとることがつらくなる場合があります。
その結果、一度に十分な量を排便できず、少しずつ便が溜まっていってしまうことも考えられます。
そのため、便秘を繰り返している猫では、
「うんちが出ているか」
だけでなく、
「トイレでいつも通りの姿勢を取れているか」
も見てもらえると参考になります。

猫の排便がいつもと違うと感じたときには、次のようなことを確認してみてください。
このあたりが分かると、診察の際にも状況を把握しやすくなります。
「猫の便秘は何日出なかったら病院へ行けばいいですか?」という質問に対して、当院では日数だけで判断するのではなく、その子の普段の排便状態と、ほかの症状がないかを確認することを大切にしています。
特に、
便が出ないことに加えて、嘔吐や食欲低下などもう1つ症状が出てきた場合
には、一度動物病院へ相談していただきたいと思います。
また、毎日排便しているように見えても、十分量を出せているとは限りません。
本当に便秘なのか分からない場合には、お腹の触診やレントゲン検査によって、実際にどのくらい便がたまっているのか確認できます。
宮田動物病院(静岡県沼津市)でも、「何日かうんちが出ていない」「便秘を繰り返している」「毎日出ているけれど量が少ない気がする」といったご相談もお受けしています。