将来起こりうる病気を予防し、
健康で長生きするために。
避妊手術は卵巣や子宮を、去勢手術は精巣を摘出する手術です。
これらの手術により、将来的な病気の予防(乳腺腫瘍、子宮疾患、前立腺疾患など)や、発情に伴う行動の変化を抑えることが期待されます。
一方で、手術のタイミングや体への影響についてはさまざまな考え方があり、それぞれの子に合わせた判断が大切になります。
避妊手術は卵巣と子宮を摘出する手術です。これにより、以下のようなメリットが期待できます。
病気の予防
卵巣の病気(卵巣がんなど)の予防
子宮の病気(子宮蓄膿症、子宮筋腫など)の予防
早い時期に行うことで、将来の乳腺腫瘍の発生率を低下させる効果も期待できる
去勢手術には、病気の予防や問題行動の抑制など、さまざまなメリットがあります。
中高齢期の病気の予防
肛門周囲腺腫
会陰ヘルニア
前立腺肥大
潜在精巣(停留精巣)
潜在精巣(停留精巣)とは、本来は生後2ヶ月頃までに陰嚢へ降りてくる精巣が、お腹の中や股の部分にとどまってしまう状態です。このような場合、お腹の中に残った精巣は将来的に腫瘍化するリスクがあるため、去勢手術が推奨されます。
猫のマーキング行動の予防
猫に関しても早めに去勢手術をすることで、マーキング(尿スプレー)の予防効果も期待できます。
当院では、動物への負担をできるだけ少なくすることを重視しています。
術後の生活も含めて負担を減らせるよう配慮しています。
手術に対して「痛そう」という不安を持たれる方は多いと思います。当院では、全身麻酔に加えて神経ブロック(局所麻酔)を併用したペインコントロールを行っています。
局所的に痛みの伝達を抑えることで、手術中の痛み刺激を減らし、体への負担を軽減することにつながります。
術後は傷口を保護するため、術後服を着用していただくことが多く、エリザベスカラーが不要な場合もあります。
一般的にはカラーで管理することが多いですが、当院では痛みに配慮することで傷口を気にしにくい状態を目指し、術後服で対応できるケースがほとんどです。
本来抜ける時期を過ぎても乳歯が残っている場合は、永久歯の生える向きに影響を与えたり、歯石が付着しやすくなったり、歯周病の原因になることがあります。
そのため、避妊・去勢手術のタイミングで乳歯の抜歯を同時に行うことをおすすめしています。
麻酔は回数が少ない方が負担が少ないため、一度の麻酔で処置をまとめることには大きなメリットがあります。
避妊・去勢手術はいつ受ければ良いですか?
犬種や体格によって異なりますが、生後6ヶ月頃がひとつの目安とされています。
メスの場合、初回発情前に避妊手術を行うことで、乳腺腫瘍の発生リスクを大きく下げることが知られています。
手術のリスクはありますか?
避妊・去勢手術自体は比較的安全性の高い手術とされていますが、全身麻酔を行うため、まったくリスクがないわけではありません。
当院では、若い子であっても血液検査やレントゲン検査などの術前検査を行い、状態をしっかり確認したうえで麻酔・手術を行っています。
ペインコントロール(麻酔・鎮痛)について太りやすくなると聞いたのですが本当ですか?
避妊・去勢手術後は、ホルモンの影響などにより太りやすくなる傾向があります。
ただし、食事量の調整や専用フードへの切り替え、適度な運動を行うことで、過度な体重増加は十分に防ぐことができます。
術後はどれくらいで回復しますか?
多くの場合、手術当日の夕方には退院でき、落ち着いて過ごせることがほとんどです。
翌日から軽い散歩は可能ですが、傷口の安静のため激しい運動は控えていただきます。
抜糸はどれくらいで行いますか?
一般的に、術後10日~2週間前後で行います。