犬・猫が食べているはずなのに痩せるとき、まず確認したいこと

この記事の執筆者

宮田院長

宮田 翔平

宮田動物病院院長。静岡県沼津市で60年以上続く地域密着の動物病院として、飼い主様に寄り添った丁寧な診療を心がけています。

「ご飯は食べているはずなのに、最近少しずつ痩せてきた」「何か病気があるのでしょうか?」

診察では、このようなご相談を受けることがあります。

体重が減っていると病気を心配するのは自然なことですが、その前にまず確認したいのが、実際にどのくらい食べているのかということです。

「いつもと同じくらい食べている」と思っていても、よく確認すると食事量が少しずつ減っていたり、残す日が増えていたりすることもあります。

宮田動物病院(静岡県沼津市)では、体重が減っている子を診るとき、まず食事量や体重の変化をできるだけ具体的な数字で確認し、そのうえで必要に応じて病気の可能性を考えていきます。

まず「本当にどのくらい食べているか」を確認します

「食欲はあります」

「ご飯は普通に食べています」

と言われたときも、もう少し詳しく確認します。

例えば、

  • 何のフードを食べているのか
  • 100gあたり何kcalなのか
  • 1日に何g与えているのか
  • 毎回食べ切れているのか
  • 最近、残す量が増えていないか

といったことです。

僕もそうですが、人はどうしても、

「これくらいは食べているはず」

「いつもとそんなに変わっていないはず」

と、良い方向に考えてしまうことがあります。

でも実際に量ってみると、以前より与えている量が少なくなっていたり、食べ残しを差し引くと必要な量を食べられていなかったりすることもあります。

そのため、体重が減ってきたときには、まず1日に実際に何g食べているのかを確認することをおすすめしています。

フードは一度、グラムで量ってみてください

食事量を確認するときには、キッチンスケールなどを使ってグラムで量ると分かりやすくなります。

「カップ1杯くらい」「だいたいこのくらい」という量り方では、毎日の量が少しずつ変わることがあります。

また、フードによって100gあたりのカロリーも違います。

そのため、

何のフードを、1日に何g食べているのか

まで分かると、その子が実際にどの程度のカロリーを摂取しているのか判断しやすくなります。

 犬猫のフードをキッチンスケールでグラム測定している様子

フードの袋に書いてある量は、あくまで目安です

ドッグフードやキャットフードのパッケージには、

「体重○kgなら1日○g」

といった給与量の目安が書かれています。

ただし、この数字はあくまで目安です。

同じ体重の犬や猫でも、体格、筋肉量、活動量、生活環境などによって必要なカロリーは違います。

そのため、パッケージに書かれている量をきちんと与えていても、その量で体重が少しずつ減ってしまうのであれば、その子にはもう少し食事量が必要な場合があります。

逆に、その量で体重が増えていくのであれば、量を調整する必要があります。

袋に書いてある数字に合わせ続けることより、その量を食べた結果、その子の体重や体つきがどう変化しているかを見ることが大切です。

宮田院長
宮田院長
食事量を調整したら、その後も定期的に体重を測り、変化を確認していきましょう。

体重も「痩せた気がする」ではなくしっかり測定

食事量と同じように、体重についても実際に数字で確認します。

「最近ちょっと細くなった気がする」

という場合でも、

  • 以前は何kgだったのか
  • 今は何kgなのか
  • どのくらいの期間で減ったのか

が分かると、状況を判断しやすくなります。

特に小型犬や猫では、たとえ数百gでも体重全体に占める割合は大きくなります。

体重だけでなく、BCS(ボディコンディションスコア)や筋肉量、以前と比べた体つきの変化も合わせて確認します。

犬が体重計に乗っている写真

それでも痩せていく場合は、病気も考えます

食事内容を確認して、

  • 必要と思われる量を食べている
  • 毎回きちんと食べ切っている
  • むしろ食事量を以前よりも増やした

それでも体重が減っているのであれば、そこで病気の可能性も考えていきます。

例えば、

  • 吐いていないか
  • 下痢をしていないか
  • 食べたものを十分に吸収できているか
  • 体の中でエネルギーを多く消費する状態がないか
  • ほかの病気が隠れていないか

などを確認し、必要に応じて血液検査や画像検査などを行います。

ほかの症状がある場合は、食事量の確認より先に受診を

ここまで「まず食事量を確認する」と書きましたが、これは元気もあり、ほかに大きな症状が認められない場合の話です。

例えば、

  • 元気がない
  • 吐いている
  • 下痢が続いている
  • 水を飲む量や尿量が変わった
  • 食欲そのものが落ちている
  • 短期間で明らかに体重が減った

といった変化がある場合には、ご家庭で食事量だけを調整して様子を見るのではなく、一度動物病院で診てもらうことをおすすめします。

「年齢のせい」で終わらせないことも大切です

年齢を重ねることで筋肉量や活動量が変化することはあります。

ただ、

「年を取ったから痩せたのだろう」

と最初から決めてしまうのではなく、まず食事量や体重を確認し、必要に応じて全身状態も調べておくことが大切です。

実際に食事量を確認すると単純に摂取カロリーが足りていなかった、ということもありますし、反対に詳しく調べることで病気が見つかることもあります。

犬猫が食べているはずなのに痩せる場合に確認する順番を示した図

番外編|なかなかダイエットできない子も考え方は同じです

これは体重が減る場合だけではありません。

「食事を減らしているのに全然痩せません」

というご相談でも、まず確認することは同じです。

例えば、

  • 本当に毎日同じグラム数を量っているか
  • おやつをどのくらい食べているか
  • ご家族の中で別の人がおやつをあげていないか
  • 人の食べ物をもらっていないか

などを確認します。

飼い主様本人は食事をしっかり管理していても、実は別のご家族がおやつをあげていた、ということもあります。

ダイエットがうまくいかない場合も、すぐに「何か病気なのでは」と考える前に、まず摂取カロリーを本当に管理できているかを確認することが大切です。

そのうえで、管理ができているにもかかわらず体重の変化がおかしい場合には、必要に応じて病気についても調べていきます。

まとめ

「食べているはずなのに痩せてきた」ときには、まず実際の食事量と体重を数字で確認してみてください。

何を何g食べているのか。

本当に毎回食べ切れているのか。

以前から食事量が少しずつ減っていないか。

そして、体重が何kgから何kgへ、どのくらいの期間で変化したのか。

こうした基本的な情報を確認したうえで、それでもしっかり食べているのに体重が減っている場合には、病気が隠れていないかを考えていきます。

また、体重以外にも気になる症状がある場合には、食事管理だけで様子を見ず、一度動物病院へご相談ください。

宮田動物病院(静岡県沼津市)でも、食事量や体重管理についてご相談いただけます。

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