【獣医師解説】動物病院のセカンドオピニオンは受けていい?迷ったときに知ってほしいこと

セカンドオピニオン 内科 外耳炎 皮膚科
動物病院でセカンドオピニオンについて相談する飼い主様と獣医師

この記事の執筆者

宮田院長

宮田 翔平

宮田動物病院院長。静岡県沼津市で60年以上続く地域密着の動物病院として、飼い主様に寄り添った丁寧な診療を心がけています。

「今の治療を続けていて本当に大丈夫なのかな」
「別の動物病院の先生にも一度診てもらいたいけれど、今の先生に悪い気がする」
「他の病院へ行ったら、もう元の病院には戻れないのでは?」

犬や猫の治療をしている中で、このように悩む飼い主様は少なくありません。


そんなときに利用できるのが、セカンドオピニオンです。

セカンドオピニオンというと、「今の病院に不満がある人が受けるもの」「転院するためのもの」というイメージを持っている方もいるかもしれません。しかし、私はそうは考えていません。

セカンドオピニオンは、現在受けている診断や治療について別の獣医師の意見も聞き、飼い主さん自身が納得して治療を選ぶための一つの方法です。

宮田動物病院(静岡県沼津市)でも、歯科疾患や皮膚疾患を中心に、他院で治療中の犬や猫についてご相談を受けることがあります。

この記事では、動物病院のセカンドオピニオンについて、日々診療をしている獣医師の立場からお話しします。

動物病院のセカンドオピニオンとは?

セカンドオピニオンとは、現在の主治医とは別の獣医師に診断や治療方針について意見を聞くことです。

重要なのは、

「セカンドオピニオン=転院」ではない

ということです。

別の獣医師の話を聞いた結果、

「やっぱり今の先生の治療方針で続けよう」

となっても、もちろん構いません。

逆に、新しい治療方法を知り、別の方法を選択することもあります。

また、さらに専門的な診療が必要と分かれば、専門病院などを紹介してもらうこともできます。

セカンドオピニオンの目的は「どちらの先生が正しいかを決めること」ではありません。

その子にとってどの治療を選択するのが良いのか、飼い主さんが納得して考えるための材料を増やすことだと思っています。

「今の先生に悪い」は気にしなくて大丈夫

セカンドオピニオンについて相談されたとき、

「今診てもらっている先生に悪い気がして……」

と言われることがあります。

私は、そこはまったく気にしなくて良いと思っています。

その子は飼い主さんの大切な家族です。

宮田院長
宮田院長
一番優先しなければならないのは、獣医師の気持ちではなく、その子がより良い治療を受けられる可能性を考えることです。

別の病院へ行くことで、今の先生の良さが分かることも

実際に他の獣医師の説明を聞いてみた結果、

「やっぱり今まで診てもらっていた先生の考え方に納得できた」

「改めて今の先生の良さが分かった」

ということもあると思います。

その場合は、これまでの病院で治療を続けるという選択肢もあります。

セカンドオピニオンを受けたからといって、必ず病院を変更しなければならないわけではありません。

むしろ、別の意見を聞いたことで現在の治療に納得できるのであれば、それもセカンドオピニオンの大きな意味だと思います。

どんなときにセカンドオピニオンを考えればいい?

明確な決まりがあるわけではありません。

しかし、

  • 治療を続けてもなかなか改善しない
  • 同じ症状を何度も繰り返している
  • 診断について疑問が残っている
  • 手術を勧められて迷っている
  • 他の治療方法がないか知りたい
  • 専門的な検査や治療について相談したい
  • 説明を聞いたけれど、どうしても決断できない

このような場合には、一度別の獣医師の意見を聞いてみるのも良いと思います。

特に大切なのは、

「なんとなく気になる」という飼い主様自身の感覚を無視しないこと

です。

必ずしも最初の診断が間違っているという意味ではありません。

ただ、疑問を抱えたまま治療を続けるよりも、別の獣医師から説明を受けることで納得できる場合があります。

宮田動物病院で多いセカンドオピニオン① 歯科疾患

宮田動物病院でセカンドオピニオンとしてご相談いただくことが多い分野の一つが、犬や猫の歯科疾患です。

例えば、

「顔が腫れて抗菌薬を飲んだら良くなった」

「しばらくすると、また顔が腫れた」

「そのたびに抗菌薬を処方してもらっている」

といった相談があります。

抗菌薬で症状が改善しても、完治したとは限りません

歯の根元などに感染の原因が残っている場合、抗菌薬を使用すると一時的に腫れや炎症が改善することがあります。

しかし、原因となっている歯そのものの問題が解決していなければ、再び症状が出る可能性があります。

つまり、

「薬を飲んで良くなった=歯の問題が治った」

とは限りません。

何度も同じ場所が腫れる、口臭が強い、食べにくそうにしている、といった場合には、歯そのものに原因がないか確認することが重要です。

症状を繰り返しながら長期間経過しているケースもあります

セカンドオピニオンで来院されたとき、

「もっと早い段階で一度相談してもらえていたら」

と思うケースもあります。

例えば、何年も抗菌薬で症状を抑えながら経過をみてきて、症状を何度も繰り返したあとに初めて歯科処置について相談されるケースです。

年齢だけで、麻酔や治療ができる・できないを判断するわけではありません。全身状態や基礎疾患、検査結果、歯科疾患の状態などを確認しながら、その子にどのような治療が考えられるかを検討していきます。

そのため、症状を繰り返している段階で一度詳しく診てもらい、どのような治療の選択肢があるのかを知っておくことには意味があります。

症状を薬で抑え続けるだけでなく、

「なぜ繰り返しているのか」

「根本的な治療方法はないのか」

という視点で一度診てもらうことも大切です。

→ 「宮田動物病院の歯科診療について詳しくはこちら」

宮田動物病院で多いセカンドオピニオン② 皮膚トラブル

もう一つ相談が多いのが、皮膚疾患です。

「何度も治療しているけれど良くならない」

「薬を飲んでいる間は良いけれど、やめるとまた痒くなる」

「ずっと同じ治療を続けているけれど、本当にこのままでいいのか不安」

といった相談があります。

皮膚病は、見た目が似ていても原因が異なることがあります。

細菌、真菌、寄生虫、アレルギー、ホルモン疾患など、さまざまな要因を考える必要があります。

そのため、治療を続けても改善が乏しい場合には、

そもそもの診断や治療方針を一度整理し直す

という意味でも、別の獣医師に相談する価値があります。

セカンドオピニオンだからといって、必ず全く違う治療になるとは限りません。

別の獣医師が診察しても、

「現在の治療を続けるのが良いと思います」

という結論になることもあります。

それでも、飼い主さんが治療方針に納得できれば十分意味があります。

皮膚チェックをされている猫

→ 「宮田動物病院の皮膚科診療について詳しくはこちら」

自分たちで診られる範囲を超えているときは、他院を紹介します

これはとても大切なことだと思っています。

宮田動物病院ですべての病気を診断し、すべての治療を完結できるわけではありません。

私自身も、

「この疾患は、自分が診られる範囲を超えている」

と判断した場合には、よりその分野を詳しく診ている先生へ紹介します。

眼科疾患などは近隣の先生へ紹介することがあります

例えば当院の近くには、眼科疾患を非常によく診てくださる先生がいます。

一般的な診察で対応できるものもありますが、難しい眼科疾患など、私自身が診られる範囲を超えていると判断した場合には、その先生へ実際に紹介しています。

これは「診られないから他へ任せる」というネガティブな意味ではありません。

その子にとって、より適切な診断や治療を受けられる場所へつなぐことも、かかりつけ動物病院の役割の一つだと思っています。

CT検査だけ宮田動物病院で行い、治療は主治医の先生に戻るケースもあります

近隣の動物病院の先生と連携して診療するケースもあります。

例えば主治医の先生が、

「この子にはCT検査が必要」

と判断された場合です。

そのようなケースでは、CT検査を目的に宮田動物病院へ紹介していただき、当院で検査を実施します。

その後、検査結果を主治医の先生へお返しし、治療自体はこれまで通っていた動物病院で続けてもらうことがあります。

つまり、

検査をした病院=今後すべての治療をする病院

である必要はありません。

それぞれの動物病院が持っている設備や得意分野を活用しながら、連携して診療することもできます。

獣医師がCT検査をしている

→ 「宮田動物病院のCT検査について詳しくはこちら」

セカンドオピニオンを受けるときに持っていくと良いもの

セカンドオピニオンでは、それまでにどのような検査や治療が行われてきたのかを知ることが重要です。

可能であれば、

  • 血液検査結果
  • レントゲン画像
  • CT・MRIなどの画像や検査結果
  • 超音波検査結果
  • 病理検査結果
  • 現在飲んでいる薬
  • 過去に使用した薬
  • 診療明細
  • 症状の経過が分かるメモ
  • 症状が出ているときの写真や動画

などを持参していただくと、診察がスムーズになります。

紹介状がなくても相談できる場合があります

「今の先生に、セカンドオピニオンを受けるとは言いづらい」

という飼い主さんもいると思います。

もちろん紹介状やこれまでの検査資料があれば、より多くの情報を確認できます。

一方で、資料がすべて揃っていなければ絶対に相談できない、というわけではありません。

現在分かっている情報をもとに診察し、必要であれば改めて検査を考えることもできます。

ただし、同じ検査を何度も繰り返さないためにも、手元にある資料はできるだけ持参していただくことをおすすめします。

セカンドオピニオンを受けたあとはどうすればいい?

別の獣医師の意見を聞いたあとには、いくつかの選択肢があります。

① 今までの病院で治療を続ける

セカンドオピニオンを受けた結果、現在の治療方針に納得できたのであれば、そのまま今までの主治医の先生に治療してもらえば良いと思います。

② セカンドオピニオン先で治療を受ける

別の治療方法に納得し、その病院で治療を希望するのであれば、そこで治療を受けるという選択肢もあります。

③ 専門病院などへさらに相談する

病気によっては、より専門的な診療が必要になることもあります。

その場合には、専門医や二次診療施設などに紹介してもらうこともできます。

重要なのは、最初から「どの病院にするか」を決めることではありません。

いくつかの選択肢を知ったうえで、飼い主さんが納得できる方法を選ぶことだと思っています。

セカンドオピニオン後を説明する図

セカンドオピニオンを迷っている飼い主さんへ

もし今、

「一度ほかの先生にも聞いてみたい」

と思っているのであれば、私はぜひ聞いてみてほしいと思います。

今診てもらっている先生に悪いのではないか、と気を遣う必要はありません。

大切なのは獣医師の気持ちよりも、自分の家族である犬や猫がより良い治療を受けられる選択肢を考えることです。

他の先生の話を聞いた結果、

「やっぱり今の先生にお願いしよう」

と思えば、戻れば良いですし、

違う治療方法に納得したのであれば、そちらを選んでも良いと思います。

さらに別の先生の意見を聞きたいのであれば、必要に応じてサードオピニオンを受けることも良いと思います。

特に、同じ症状を繰り返している場合や、治療を続けても改善がみられない場合には、

「もう少し様子を見よう」

を何度も繰り返すのではなく、一度別の角度から診てもらうことで新しい選択肢が見つかることがあります。

まとめ|セカンドオピニオンは「病院を変えること」ではありません

セカンドオピニオンは、現在の病院を否定したり、必ず転院したりするためのものではありません。

治療について別の獣医師の意見を聞き、

飼い主さん自身が納得して治療を選ぶための手段の一つです。

特に、

  • 治療を続けてもなかなか良くならない
  • 同じ症状を何度も繰り返す
  • 手術や大きな治療をするか迷っている
  • 他の治療方法についても知りたい
  • 今の治療方針にどうしても疑問が残る

という場合には、一度セカンドオピニオンを検討してみても良いと思います。

宮田動物病院(静岡県沼津市)では、歯科疾患や皮膚疾患をはじめ、CT検査が必要な症例などについてもご相談を受けています。

これまでの検査結果や治療内容が分かる資料がある場合には、可能な範囲でお持ちください。

現在受けている治療を否定することが目的ではありません。

これまでの経過を整理しながら、その子にとってどのような選択肢があるのか、一緒に考えていきたいと思っています。

→ 宮田動物病院のセカンドオピニオンについて詳しくはこちら

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宮田動物病院の外観

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