この記事の執筆者
宮田 翔平
宮田動物病院院長。静岡県沼津市で60年以上続く地域密着の動物病院として、飼い主様に寄り添った丁寧な診療を心がけています。
「子猫を保護したけれど、ミルクの作り方が分からない」「哺乳瓶でミルクを飲ませようとしても、なかなかうまくいかない」。生後まもない子猫の世話は、初めての方にとって戸惑うことばかりです。
この記事では、生後間もない子猫の育て方のうち、子猫用ミルクの作り方とミルクのあげ方を中心に解説します。ミルクの種類の選び方から、抱っこの仕方、哺乳瓶の準備、飲ませるときのコツ、そして飲ませる前の排泄まで、実際にミルクを作って飲ませる流れに沿ってお伝えしていきます。
宮田動物病院(静岡県沼津市)では、「どうぶつの小児科」として子犬・子猫の初年度をサポートしております。保護したばかりの子猫のお世話に不安がある方や、授乳がうまくいかずお困りの方は、お気軽にご相談ください。

生後まもない子猫は、歯が生え始める生後3週ごろまでミルクを飲んで成長します。この時期はミルクが子猫の栄養のすべてになります。
個体差はありますが、生後まもない頃は2〜3時間おきに、1回あたり10cc前後のミルクを飲みます。まずはこれを一つの目安として覚えておいてください。
ミルクの種類は、一般的に販売されている子猫用のミルクであれば問題ありません。
生後まもない子猫にとって大切なのは、「どのミルクを選ぶか」よりも「しっかり飲めているか」です。
ミルクの種類で悩みすぎる必要はありません。まずは子猫用ミルクを準備し、しっかり飲めているか、体重が順調に増えているかを確認してあげましょう。


ミルクの作り方は、購入した粉ミルクによって異なります。
粉ミルクには「付属のスプーン1杯の粉ミルクにお湯を10cc混ぜてください」等が書いてありますので、その指示に従って作りましょう。お湯は、水道水を一度沸かしたものでも、ウォーターサーバーから出るお湯でも構いません。
粉末のミルクはとても溶けやすいので、まずはお湯で溶かし、子猫が飲む前までに少し冷ましてあげます。念のため、ご自身の手にミルクを垂らして熱すぎないかどうかをチェックしてから飲ませてあげてください。
ミルクの準備ができたら、次はミルクの飲ませ方です。哺乳瓶でのミルクの飲ませ方は意外と難しいので、抱っこの仕方から哺乳瓶の準備、飲ませるときのコツまで順番に解説していきます。

ミルクを飲ませてあげるときは、子猫を抱っこして飲ませてあげてください。
人差し指、中指を首に添えて、残りの指で胴体を支えてあげます。お腹が空いた状態では子猫はよく動きますので、誤って落としてしまわないように注意しながら抱っこしてあげてください。

哺乳瓶でミルクをあげる前に、先端からしっかりミルクが出るかどうかを確認しておきましょう。
多くの場合、子猫が先端部分を吸ったり噛んだりするとミルクが出てくる仕組みになっています。ただ、指で押してミルクが出ることを確認してあげてください。
もし全くミルクが出てこない場合は、哺乳瓶の先端をはさみなどでほんの少しだけ十字に切れ込みを入れて対応してください。切りすぎるとミルクが出すぎてしまうため、少しずつ調整してください。

いざ哺乳瓶でミルクをあげようとすると、最初は思うように飲んでくれないことがあります。そんなときは、お口のどこに哺乳瓶の先端を入れるかがポイントになります。
子猫が鳴いているときなどにお口の中をよく観察してみてあげてください。
まずベロを確認して、その上のスペースに哺乳瓶の先端をすっと差し込んであげるのがコツです。いい位置に入ると、子猫は自然とチューチューと吸い始めます。
うまくいかない場合は、角度を変えたり、一度口から離して入れ直したりしてみましょう。それでもうまくいかない場合は、もう少し奥まで入れてみるとうまくいくことがあります。

子猫は上手に飲めているときほど、あまり動かずにそのままゴクゴク飲みます。
逆に、まだお腹が空いているはずなのに手足をばたつかせたり落ち着かないときは、お口のいいところに哺乳瓶の先端が入っていないことがほとんどです。

上手に飲めているときは、息継ぎしていないように見えるくらい集中して飲む子もいます。
心配になって途中で哺乳瓶を離したくなるかもしれませんが、せっかくいい位置に入っていた乳首をもう一度同じように入れるのは意外と難しいものです。
上手に飲めているようであれば、途中で止めずにそのまま飲ませてあげてください。
まだ生後1週間ぐらいであれば、10ccくらい飲むと手足をバタつかせ始めてお腹いっぱいのサインを出します。お腹いっぱいになったら、そっとお部屋に戻すようにしてあげてください。
そのまま眠りにつくようであればお腹いっぱいですし、しばらくまだ動いているようであれば、もう少しミルクをあげるようにしてあげてください。


ミルクは作り置きせず、その都度作ってあげましょう。
このミルクが必要になるのは、乳歯が生えてくる生後3週ごろまでです。この時期を過ぎて上手に離乳食へと移行できれば、その子は元気に大きくなってくれるはずです。
目の前の子が自分でご飯を食べられるようになるまで、楽しみながら面倒を見てあげてください。

ミルクを飲ませる前に、おしっこやうんちを済ませてあげると飲みやすくなることがあります。
排泄が十分にできていないと、お腹が張った状態になり、ミルクをあまり飲んでくれないこともあります。
また、排泄はしたはずなのにミルクを飲まない場合は、もう一度排泄を促してみるとうまくいくこともあります。
なお、子猫の排泄補助の方法については、別のコラムにて写真付きで詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

生後間もない子猫にとって、ミルクは大切な栄養源です。
ミルクの種類や作り方で悩みすぎる必要はありません。まずは子猫用ミルクを準備し、しっかり飲めているか、体重が順調に増えているかを確認してあげましょう。
また、ミルクを飲まないときは哺乳瓶の位置や排泄の状況などを見直してみてください。特に哺乳瓶の先端をベロの上に入れてあげることは、上手に飲んでもらうための大切なポイントです。
本記事で紹介したミルクの作り方・飲ませ方を実践し、子猫が自分でご飯を食べられるようになるまで、楽しみながら面倒を見てあげてください。生後3週ごろまでの大変な時期を乗り越えれば、その子はきっと元気に大きく育ってくれるはずです。
宮田動物病院(静岡県沼津市)では、子犬・子猫の初年度をサポートする「どうぶつの小児科」を設けています。子猫の授乳やお世話に不安を感じたら、お気軽にご相談ください。
なお、本記事の内容は当院のYouTubeチャンネルでも動画で解説しております。獣医師が実践する子猫のミルクの作り方・飲ませ方が気になる方は、ぜひご覧ください。