この記事の執筆者
宮田 翔平
宮田動物病院院長。静岡県沼津市で60年以上続く地域密着の動物病院として、飼い主様に寄り添った丁寧な診療を心がけています。
「犬の耳毛を自宅で処理しているけれど、本当にこのやり方で合っているのかな」「耳毛は抜いた方がいいの?切った方がいいの?」などと迷ったことはありませんか。
耳毛が多いまま放っておくと、耳の中の通気性が悪くなったり、汚れがたまりやすくなったりすることがあります。特に垂れ耳の犬種では、日頃のお手入れが耳の健康維持につながります。
本記事では、耳毛を処理する目的や、耳毛を抜く場合とカットする場合の考え方、自宅で処理するときのポイントについて解説します。当院のYouTubeチャンネルでは、実際の耳毛の処理方法も動画でご紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。
宮田動物病院(静岡県沼津市)では、耳毛処理の方法についてのご相談から、外耳炎の診察・治療まで対応しています。ご自宅でのケアに不安がある方や、耳のトラブルを繰り返している場合は、お気軽にご相談ください。

耳毛を処理する目的は、大きく分けて「外耳炎の予防」と「見た目を整えること」の2つです。
耳毛が多いと耳の中の通気性が悪くなったり、毛に耳垢が絡んで汚れがたまりやすくなったりすることがあります。そのため、外耳炎の予防として耳毛を処理することがあります。
一方で、トリミングの一環として見た目を整える目的で処理されることもあります。


耳毛の処理方法は「抜く」と「切る(カット)」の2種類があります。どちらか一方が正しいというわけではなく、その子の耳の状態に合わせて方法を選ぶことが大切です。
耳に炎症がなく、予防的なケアとして耳毛を処理する場合は、耳毛を抜くことが多くあります。
耳毛を抜くと、次に毛が生えてくるまで時間がかかるため、通気性が保たれやすいというメリットがあります。
すでに外耳炎を起こしている場合は、耳の中に炎症や痛みがあるため、耳毛を抜く刺激が負担になることがあります。
そのような場合は、無理に抜かず、まずはハサミやバリカンでカットすることがあります。耳への刺激をできるだけ少なくしながら、必要な処置を進めていきます。
また、ご自宅で耳毛を抜こうとして強く嫌がる場合も、耳の中に炎症がある可能性もあります。無理に続けず、一度耳の状態を確認することをおすすめします。


耳毛を処理するときは、耳の内側だけではなく、耳穴まわりの毛もあわせて確認してあげましょう。
当院では、主に次の2か所を意識して処理しています。

まずは、耳の内側、耳道の入り口付近に生えている毛を処理していきます。こちらは指や鉗子(かんし)を使って抜いていきます。
処理するときのポイントは、次の2つです。
皮膚を一緒につまんでしまうと痛みにつながるため、毛だけをつまむように意識してください。
また、一度にたくさん抜こうとすると痛みも強くなり、耳毛処理を嫌がる原因になります。少量ずつ丁寧に処理してあげましょう。
耳毛は比較的抜けやすいため、無理に専用の器具を使わなくても、指だけで処理できることも少なくありません。抜いた毛は濡らしたコットンなどに付けながら進めると、周囲に散らばりにくくなります。

耳穴のまわりに生えている毛も、あわせて整えてあげることをおすすめしています。
この部分の毛が耳穴を覆うように生えている子では、通気性に影響することがあります。
当院では、この部分はバリカンで短く整えることが多く、1〜2か月に1回程度を目安に処理しています。
バリカンが苦手な子では、先端が丸いハサミでカットしても構いません。無理をせず、その子に合った方法で行いましょう。


耳毛をカットするときは、できるだけ短時間で終わらせることを意識しましょう。
特に外耳炎がある場合は耳への刺激をできるだけ少なくするため、短時間で処理を終えることを意識しましょう。
また、使用するハサミは先端が丸くなったものがおすすめです。犬が急に動いても耳を傷つけにくく、ご自宅でも比較的安全に処理できます。人用の鼻毛カッターでも代用できます。

今回は、犬の耳毛処理について、耳毛を抜く場合とカットする場合の考え方や、ご自宅で処理するときのポイントをご紹介しました。
耳毛を処理する目的は、見た目を整えることだけではなく、外耳炎の予防にもあります。ただし、すべての犬で同じ方法が適しているわけではありません。
耳に炎症がない場合は予防的なケアとして耳毛を抜くことが多く、外耳炎などで耳に炎症や痛みがある場合は、耳への刺激をできるだけ少なくするためにカットを選ぶこともあります。
また、耳の内側だけでなく、耳穴まわりの毛まであわせて確認し、その子の耳の状態に合わせて無理のない範囲で処理してあげることが大切です。
宮田動物病院(静岡県沼津市)では、耳毛処理の方法についてのご相談から、外耳炎の診察・治療まで対応しています。ご自宅でのケアに不安がある方や、耳のトラブルを繰り返している場合は、お気軽にご相談ください。
なお、本記事の内容は当院のYouTubeチャンネルでも動画で解説しております。獣医師が実践する犬の耳毛の抜き方が気になる方は、ぜひご覧ください。