この記事の執筆者
宮田 翔平
宮田動物病院院長。静岡県沼津市で60年以上続く地域密着の動物病院として、飼い主様に寄り添った丁寧な診療を心がけています。
かかりつけ病院で実施された胸部レントゲン検査において、胸の中に異常な陰影が認められました。
より詳しい検査をご希望され、当院へセカンドオピニオンを求め受診されました。
一般状態は安定していましたが、胸部レントゲン検査では胸の中に異常な陰影が確認されていました。
レントゲン検査だけでは、
を正確に評価することは困難でした。
病変をより詳しく評価するため、CT検査を実施しました。
CT検査では前縦隔領域に大きな腫瘤性病変が認められました。
画像所見からは、
などが鑑別診断として挙げられましたが、最も疑われたのは胸腺腫でした。
CT検査では、腫瘍の位置や広がりだけでなく、どの臓器から発生している可能性が高いか、周囲組織への影響や切除の可能性についても詳しく評価することができました。

CT検査によって胸腺腫が最も疑われ、外科的切除が可能と判断したことをご説明し、治療方針についてご相談しました。
飼い主様は積極的な治療をご希望されたため、外科的切除を実施する方針としました。
胸骨正中切開による開胸手術を行い、腫瘍の摘出を実施しました。


術後の経過は良好で、第5病日に退院となりました。
摘出した腫瘍を病理検査へ提出したところ、胸腺腫と診断されました。
病理検査では完全切除が達成されていると評価され、追加治療は行わず経過観察となりました。
術後は良好に経過しています。
定期的な画像検査による経過観察を継続していますが、現在のところ再発を疑う所見は認められていません。
元気・食欲ともに良好な状態を維持しています。
胸部レントゲン検査で異常が見つかった場合でも、レントゲン検査だけでは病変の正確な位置や性質を判断できないことがあります。
今回の症例でも、CT検査を実施したことで、
を詳しく評価することができました。
CT検査は診断だけでなく、より安全で正確な手術計画を立てるうえでも重要な検査です。

今回の症例では、かかりつけ病院で異常が発見された後、早い段階でCT検査を実施するという選択が診断と治療につながりました。
胸の中やお腹の中の病変は、レントゲン検査だけでは十分に評価できないことがあります。
そのため、
「レントゲンで異常を指摘された」
という段階でCT検査を行うことで、体の中で何が起きているのかをより正確に把握できる場合があります。
当院ではCT検査のみのご紹介も受け付けております。
かかりつけ病院の先生と相談のうえ、CT検査をご希望の場合はお気軽にご相談ください。